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2007-07-17

円陣を組む女たち――岩崎勝平

 近所の野球場で高校野球をやっていたので、息子と二人で見に行ったら、ちょうど終了した後だった。しかたがないので、すぐ目の前の美術館へ。するとそこに異様な絵が。私はすぐに古井由吉の『円陣を組む女たち』を思い起こした。いつまでも見ていたかったが、夕方近かく時間が迫っていたので、そういうわけにはいかない。せめて模写をして帰ろうと思ったが筆記用具がない。そこで頭の中にその構図をたたき込み、家で再現しようとした。それがこれだ。

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 しかし、何かが違う。絵は和服を着ていた。しかしそういうことではなく、体の形のうち何かが違う。画家の名前も忘れてしまったのでネットで調べるのは容易ではない。画像の検索というのはさすがにgoogleでも出来ない。何やかやしているうちに、ようやく出てきた。岩崎勝平(かつひら)の「夏」という作品であった。画集をデジカメでとった画像もあった。そこで今度はその画像を模写してみた。

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 違いはズバリ足だった。上では両者の右足がガニ股になっているが、下の着物の女性二人はどれだけ力をこめて引っ張っていても、両足が内側にむいている。それが緊張とバランスの中に異様な優雅さを与えている。私の上の想像図では、単なる女子高生の綱引きになってしまっている。

 しかし、綱引きでないとすれば、この絵は何をしているところだろうか。「円陣を組む女たち」は、引き合いっこ(正式名称は不明)の遊びをしてたわけだが、この絵も一応は何かをしているところなのだと思う。左の女が右の女を引き留めているのか、それとも振り回しているのか、あるいは両者の左足を軸にして二人は回転しているのか。模写ではいまいちダイナミックさが出ていないが、画集の絵でもまだ足りない。本物はもっと大きくてど迫力なのである。

 岩崎勝平という人物、川端康成に神様絵描きと言われたと言う。たしかに何か神がかったようなすごみがある。我が町の美術館が所蔵しているそうだから、これから何度でも見ることができる。いましばらくは模写を続けよう。

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